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マージナル・オペレーション01/芝村裕吏

ぼくは思ったことをだれかに伝えるのが苦手で,自分が好ましいと思ったことが偏っていないと確信できない.もっというと言葉なんかではほとんど何も伝わらないと感じてすらいる.よって書評なんてものは書けるはずもなく,これはもちろん書評ではない
 
はっきり言ってこの本が好きだ.内容に関しては言うまでもなくすばらしかった.この本の著者の芝村裕吏は僕が生きる上で参考にしているうちのひとりとも言える人で,正常な判断ができるとは思えないが.では何を書くかというと,本という物質自体について語りたいと思う.本という物自体も自分の中では特別な存在で正常な判断ができるとは思わない.だがほとんどの人が気にしていないようなことなので,比較的安心して語れる類の話ではある
 
今後ほとんどの書籍は電子化されていくのは決定事項だし,紙の書籍はますます減っていき・ますます価格は高くなっていく.輸送費も保存する場所も必要な紙の書籍は基本的に贅沢品になっていくだろう.だから贅沢品としての本に何を求めていくかという話だ.僕にとっての本とは飾りではなく読み物である.娯楽である.視覚聴覚触覚嗅覚で感じるものである.ハードカバーが嫌いで,本自体にしおりがついていて欲しい,フォントが好きで,フォントサイズは大きすぎないのが好きだ
 
好きだと言える本はいままででは2冊あった.ひとつ目は新潮文庫.文庫の中ではダントツに好きで,文庫ではめずらしいしおりと本の上部がきちんと切りそろえられていないところが好きだ.ふたつめは講談社BOX.箱はちょっといただけないが,手にしっくりくる紙質の良さと,フォントの選び方が好きだ.単行本と新書と文庫のいいところ取りをしたような贅沢な本だ
 
そこでこの本星海社FICTIONSである.しおりといいサイズといいフォントといい非常に好みだ.フォントサイズはもっと少し小さいのが好みなんだけど,本のサイズからするとこれぐらいだろう.この本は本当に本が好きな人が作っているのだろう.そしてそれに共感できるというのはしあわせだ
 
値段は同じ分量の本と比べても高いと感じるかもしれないが十分に価値がある.内容のクオリティには依存するかもしれないが,この本を出せるレーベルなら問題はないだろう.こんごともチェックしていきたい
 
マージナル・オペレーション 01 (星海社FICTIONS)

マージナル・オペレーション 01 (星海社FICTIONS)