すべてのひとへ

最初書こうと思ったときにはふつうに詩的だったけど。こう書こうと思った。

信じられないかもしれないけどぼくは神を信じている

ぼくは神に感謝する。

ネコを助けて車にひかれた人が
毎日会社に行っていつもと同じ作業をして夕方5時に会社を出る人が、
ナパーム弾が落ちてきて焼けた人が
少し不満があるけれど日常はそこそこ楽しく自分が幸せだと思う人が、
大事な人を失ったけど、ひとりだけで、自分もそこに行くこともかなわない人が、
厳しい寒さの中で生きるために生きている人が、
バスタブで水浸しになりながら手首から血を流した人が
最後のバッタになってするつもりなかったのにヘッドスライディングした人が、
生まれ出でることもできずに、泣き叫ぶこともできなかった人が、

死は生に干渉せずただそこにあり、
死者と生者は互いに働きかけることなく、
亡き者も有る者もこの世界の激しさからは隔離されてただ安らかにいることを、
それを知ることができることを。

いつ死ぬかわからない、実は生きていることすら幻想かもしれないぼくは、
神に感謝する。